top of page

事業計画書作成からデザイン決定まで -製作秘話その3

前回の記事で大体のコンセプトと製作国を決定するところまで紹介しました。

今回の記事では、実際の事業計画を立てたときの話とサンプル製作依頼までを書いていきます。

今回のレザートートバッグの製作までの流れは以下のようになります。

  1. マーケティング(事業計画書づくり)

  2. デザイン、素材の決定

  3. 日本でサンプル製作

  4. タイの工場で本製作

今回の記事では1,2に行程を紹介します。

 

マーケティング、事業計画書づくり

 

これまでも商品開発の際には、それなりの時間を使ってマーケティングをしておりましたが、今回のバッグのように完全に一からデザインをすること、数十万単位の大きな製作費用をかけることが初めてだったので、しっかりと事業計画書を作ろうと思いました。

そこで利用したのが、商工会議所様に紹介いただいた、中小企業庁主催の経営革新計画でした。

経営革新計画に承認されれば、資金の援助や販路開拓の場を多数提供いただけます。 また、中小企業診断士の方のアドバイスも年数回、希望すれば受けることができ、経営体制の見直しも図ることができます。

何より、今回の事業にとって大きなメリットは、事業計画書を書くことでコンセプトや戦略の整理ができること、そしてそのコンセプトと戦略を他人の目からチェックしてもらうことで、ブラッシュアップさせられることでした。 実際に、この段階で商品のコンセプトは当初思いついていたものから何回か修正がされています。

事業計画書を作る中で、色々な資料を集めました。 改めて調べてみると、経済産業省から出ている皮革産業の調査レポートやバッグの消費者アンケートなど、無料で手に入るマーケティングのための資料が多くあります。 資本が無い中で、資料を無料で手に入れることができるのは、大変有難いことでした。

もし、これから商品開発をしようと思っている方で、需要の調査をしてみたいと思っている方は、いきなりお金を払って調査会社を利用するのではなく、まずはネットで簡単に手に入る資料を集めてみることをオススメします。あとは周りの知人へのインタビューですね。

下記に経済産業省の報告書一覧のリンクを貼っておきます。


何度も商工会議所の担当の方に修正をもらいながら、2,3か月ほどかけた経営計画書は無事、東京都に承認されました。(担当の方ありがとうございました!) この期間、デザインの考案など同時並行で作業を進めています。


 

デザインの決定

 

デザインや機能はまず自分が欲しいと思うものを形にしていきました。

こだわったのは、これまでのトートバッグに足りないと思っていた機能を追加することでした。

トートバッグはシーンを選ばないという意味では使い勝手がいいものの、こんな風に使えたらもっといいのになと思う点がいくつかありました。

具体的に挙げると

  • 中身の区分けが多い

  • ノートPCのスリーブがある

  • 出張の時にも持っていける(キャリーケースと併用できる)

  • 防水性あり

  • 底鋲がある

です。 まずは、上記の機能を盛り込んだラフ図を作成し、浅草にありますバッグサンプル製作の工房に相談に行きました。


私はバッグや革の知識が全くなく、デザインだけ持って行ってのお話しだったのですが、職人の方は丁寧に一から教えてくださいました。 ただ、ほとんどのサンプル製作がそうだと思いますが、素材(革や金具)は自分で選択、調達する必要があります。

職人さんはあくまで作る専門の方なので、基本的に使用する素材は自分で探しに行かなければなりません。 特に今回はタイで作ることを決めていたので、タイで素材が揃うかどうかも検討しなければなりません。


日本でサンプル製作ができても、タイで本生産ができなければ意味がない!であれば、サンプル製作も、現地で手に入る素材で作った方がいい。 ということで、打合せの日に早速タイ行きの航空券を予約し、現地へ行くことに決めました。 ※話は逸れますが、タイへ出発したのが2020年の3月初めで、コロナでロックダウンされる直前でした。 出発が2週間遅れていれば、その後半年以上行くことができず、商品リリースにも影響大だったなと思うと、決断の早さは本当に大事でした。 出発までに、職人さんに紹介いただいた金具の問屋さんと革の問屋さんにも足を運び、バッグ製作に必要な知識を学ばせてもらいました。



 

革を求めて、いざタイへ...!

 

タイにも革問屋や、バッグ工房が密集している地域があることはネットで調べて分かっていましたので、その辺りで通訳さんを手配していました。

今回の出張の目的は

  • 革生地を手に入れること

  • バッグの金具を手に入れること

  • 本生産をしてくれる工房のリストを作ること

だったので、バッグのポンチ絵を片手に、通訳さんと一緒に手あたり次第バッグ工房、金具屋、革問屋に突撃しました。(頭の中でプロジェクトXのテーマを流してました。) 革問屋3軒ほど回ったところで、ようやくスペックに合う革を見つけて購入。 同じく、金具も大きいところがいくつかあったので、使えるものを購入。

次に生産をしてくれる工房探しです。 正直、製作物の現物もなくポンチ絵だけだったのですが、親切に話を聞いてくれるところが多かったです。 この時は、バッグの大体のサイズ感と特徴を伝え、MOQ(最低注文数)と価格、納期の打合せを軽くして、8軒ほどと連絡先を交換しました。

2日間(滞在は実質1日)の弾丸出張でしたが、目的を達成することができ、革ロールを持ち帰り、無事日本へ帰国。

 

サンプル製作開始...だが予想外の連続!

 

ここまでは、順調に来ていたかのように思えていました。

ただ、製作を続けていると、順調なことばかりではありませんでした。

詳しくは、また次回の記事で紹介していきます。

ここまで、お読みいただき、ありがとうございます!


0件のコメント
bottom of page