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試作品の完成 -製作秘話その4

無事、タイで必要な素材を買ってきて、これでバッグ製作の準備が整いました。

早速、日本の職人様に素材を渡して、希望するデザインの製作を依頼しました。

 

買ってきた革が使えない...!?

 

『いや~お疲れさまでした。どうでした向こうは?』

「まだ向こうはそれほど、コロナの影響はないようでしたけど、空港はガラガラでしたねぇ。 日本は大丈夫か?っていろんな人に心配されましたよ。」 ※タイに行ったときは3月上旬で、コロナが大流行する直前。タイはこの2週間後にロックダウン。

「とりあえず、必要な素材は全て買ってきましたし、工房とサプライヤーの当たりもつけてきたのでバッチシです!」

そんな話をしながら、買ってきた革を職人の方に見せると

『うーん…これだと、作ったときシワが出ちゃうかもですね…』

な、なんだって…!!

革は生地の状態ではキレイに見えても、カバンにするときは生地を折るので、その際にシワが出てしまうとのこと。 固い革やガラス面のようなキレイな革は特に、その傾向が強い。カバンなどを作るときはなるべく柔らかかったり、シボ感(あらかじめつけてあるシワのこと)がある革を選ぶのが一般的。


表面がツルツルで固い革だとシワができてしまう


ただし、柔らかすぎると今度はカバンの型崩れが起きたり、シボ感が強いと自分の希望のデザインにならなかったりと目利きが重要になります。 特に今回の革は撥水機能を持つことが自分の中で絶対だったので、後から加工されるものとはいえ、在庫あるものに関してはそれだけで、選択肢が限られていました。

出張直前に職人の方や革問屋の方に、革の選び方を色々教えてもらったのに… タイの革問屋さんと連絡先は交換しているので、再度別の革を送ってもらうことは可能だけど、やはり革は実際に見てみないと分からない。かといってそんな何度も現地に行くお金もない。

『とりあえず、一回これで作ってみますか? 後のことは後で考えましょう!』

「ありがとうございます!作っていただいている間に、別の革手配します!!!」


 

製作開始 そして希望の製品がついに完成!

 

職人さんに後押しされながら、初回の試作品を製作してもらうことに。 通常、製品づくりは

モック→1st サンプル→2nd サンプル→・・・→完成品

のような流れで行われます。 モックは一番初めの試作で、大体の大きさや最低限の機能を確認するために作られるものです。

私の場合は、まず基本的な型をモックで作ってもらってそこに、ポケットやキャリーセットアップのデザインを型紙で当てはめながらイメージをしていきました。

さて、並行して新たな革生地を手に入れなければなりません。 タイで買ってきた革はせいぜいモックと1st サンプルが作れるくらいの分量しかありません。 また試作段階でも本生産で使うものと同じ革を使わないと、実際の感覚がつかめません。

流石に遠隔で、好みの革を探すのは難しいと思い、まずは日本の革問屋さんを当たり、希望通りの革を見つけたらそれをタイに送って同じものを探してもらう作戦にしました。

なんとか日本で希望の革を見つけたので、早速購入し、職人さんに届けました。

『これなら大丈夫そうですね。』 「よ、よかったです!」


その後、なんとかタイでも希望の革を見つけることができました。


そこから製作も色々紆余曲折あり、、(主に私の悩みによるものですが)

大体は2nd サンプルが完成品となることが多いそうです。 しかし、私は色々な人に使ってもらって感想を聞きながら、意見を取り入れたので、結局3rd サンプルで完成となりました。


通常であれば、ここから生産体制整えて、ランディングページ作って…となるのですが、今回の場合もうワンステップ大きな行程がありました。


タイの本生産工場探しです。



今考えるととても非効率に思いますが、まずは完成品がないと工場を選定するときに品質チェックができないと思い、スピーディに動けませんでした。 この辺りは次回に活かす反省点ですね。

次回は実際の工場選定についてお話していきます!!

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

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